隠花の舟(いんかのふね)
 作品タイトル中の「隠花」とは隠花植物を略して、花のない種子植物以外の全ての植物のことです。粘菌も隠花植物であります。作者は粘菌が好きで、学部4年間は常に粘菌の構造や姿を研究し作品に反映してきました。この作品は粘菌の構造や特性を表した「粘菌の舟」に包まれ自然に帰る人間の姿を現した空間演出です。一般に花に囲まれた空間演出をするのが西洋的な美意識に思いますが、対して花のない白いロープの構造体による空間演出は日本の陰影を大切にした美意識をうまく表し、構造体としても美しくできていると思います。グローバル化で画一化するインテリアデザインに対して新たな日本の美意識をあらわした空間造形の提案でもあると思います。
担当教員:東京藝術大学 橋本 和幸 先生

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