千姿万態(せんしばんたい)
まちにある建築が使い継がれながら時間を経ていくとき。骨格や概形が変わらずとも、時代のニーズや価値感の推移によって、インテリアや空間のつながりなど様々な変化が必要となる。本作品は、変化することで、地域の文化を残し続けることを可能にする提案改修の提案である。敷地調査や周辺環境調査を入念に行い、歴史的経緯の中で「残す」べき要素や空間体験は何か、変化によって価値を高められる要素、等を徹底的に考察している。また、ソフト・使い方の多様な変化可能性を誘発する運営の仕組み、そして従前の骨格が持たなかった鋭角を導入したインテリアによる奥性をもつシークエンスや活動は、地域とこの建築,過去と未来をつなぐ装置である。
担当教員:東京電機大学 荻原 雅史 先生