揺らぎの中で無限を謳う(ゆらぎのなかでむげんをうたう)
 小川くんの作品はコンクリートの塊から人間の居場所を掘り出すというプロセスの上に生まれたコンクリートとコンクリートの間(アイダ)である。それは空間と呼べるような人間が幾何学的にコントロールできるような西洋的な概念ではない。また木軸の間に生まれた、流れるような日本的な間(マ)でもない。そういう既成の概念を越えて、どうすれば人間にとっての新しい場所ができるかを手で探り当てた触覚的な産物である。インテリアとは人を包む皮と考えるのであれば、新しい皮の作り方の可能性を提示したものとして評価できるのではないだろうか。
担当教員:東京理科大学 坂牛 卓 先生

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